アラフォー男が婚活でのたうちまわるブログ

38歳男が婚活の現場で思う赤裸々な心情の数々。

~初パーティー編(3)~ 狂騒の中で

プロフィールシートを書き終えてすぐ、係員によるパーティーの説明が始まった。

 

気付くと席の大部分が埋まっていた。

斜め向かいの17番の子もまた可愛らしい感じの子で、

タイプは違うが、向かいの18番の美人に負けない程の容姿だ。

むしろ一般的にはこちらのほうが人気かもしれない。

係員の一言一句に笑顔でうんうん頷いていて、たぶんこういう子が好きな男は多いだろう。

18番は相変わらず無表情で脚を組んだまま、係員のほうを見るでもなく退屈そうにしていた。

 

 

一通りの説明が終わり、

「それでは正面の方とプロフィールシートを交換して会話を開始して下さい」

の号令の下に、一斉に全員が動く。

ある意味すごい光景だ。

機械的な一声で、60人もの男女が一糸乱れず一斉にお見合いを始めるのだ。

まるで宗教か、軍隊だ。

そのような統率の中でしか異性との出会いを見出せない男女が、

今ここに一同に集まって必死に相手を見定めている。

どう考えても不自然極まりないのだが、それが婚活というものなのだろう。

 

 

「よろしくお願いします」

満面の笑みで向かいの美人にプロフィールシートを渡す。

「あ、よろしくお願いします」

18番の声は、さっきまでのクールで退屈そうな姿とは少しイメージの違う、細くて柔らかい感じだった。

 

受け取ったシートを見ると、30歳。もっと若い感じに見えたので、少し意外。

18番はプロフィールシートに「人見知り」と書いていて、

パーティーには何度か来たことはあるけど、人見知りなのでまだ慣れないとのことだった。

偶然、俺も同じくシートに人見知りと書いていたので、

人見知りだとこういう場は緊張して大変ですよね~

という人見知りトークをしたが、些細なことでも共通点があるのはすごく大事だ。親近感が湧く。

 

あまり人には信じてもらえないが、

俺は超人見知りだ。

 

超人・見知りではない。超人に知り合いはいない。

超・人見知りなのだ。

慣れるとよく喋るし、同年代の一般男性と比べると友人も圧倒的に多いほうだろう。

ただし、初対面は本気でダメだ。

もともと上手く喋るのが得意なほうではないので、

自分が喋るとなると、何を話していいのかが全くわからない。

聞き上手とよく言われるタイプなので、よく喋る人となら初対面でもある程度なんとかなるが、

口数が少ない人とだと完全にアウトなのだ。

 

そんな俺なので、パーティーでの初めての会話は緊張でいっぱいだったものの、

18番は最初のイメージと違い物腰の柔らかいタイプで、

どんな話にもきちんと答えて会話のキャッチボールのしやすい子だったので、

少しばかり緊張をほぐすことができた。

 

何を話したかはほとんど覚えていないが、

軽くはにかんだ時に見える八重歯がとても可愛くて、

黙っている時よりも、更にずっと好みのタイプだったのが印象的だった。

 

 

「それでは、プロフィールシートを戻していただいて、男性は1つ大きい番号の席へ移動お願いします」

係員の号令が俺を現実へと引き戻す。

 

「ありがとうございました」

笑顔で18番と挨拶を交わし、1つ右の席へと移動する。

少しほぐれた緊張はリセットされて、

またもや新しい緊張の中での会話がやって来るのだ。

 

だが、そのことに対して特別な感情はなかった。

この場ではそれが自然なことなのだから。

~初パーティー編(2)~ いざ戦場へ

いよいよ迎えた当日。

 

緊張のあまり、会場近くのデパートのトイレにこもる。

もよおしたわけではない。

緊張してピーピーしてたら、パーティー中えらいことになるだろう。

一人になって心を落ち着けるのは、俺のような人見知りにとっては大事な時間なのだ。

そして街中においては、一人になれるのはトイレしかない。

トイレの間違った使い方の教科書である。

 

 

時間が近くなって、いざ会場へ乗り込む。

その姿はさながら、

ルール・ブリタニアをBGMに颯爽と戦場へ駆ける騎士のようだ。

と言いたいところだが、

むしろ実際の心持ちは葬送行進曲だ。

少なくとも勇ましい顔や陽気な顔ではなかったと断言できる。

 

エレベーターを降りて受付へ。

免許証を見せて参加費を払い、引き替えに番号札をもらう。

18番。

俺が昔入っていたサッカーサークルで付けていた背番号だ。

これは縁起がいい。

 

などと精一杯自分を奮い立たせつつ会場の18番の席を探す。

……あった。

向かいには、20代半ば過ぎくらいだろうか、

ロングヘアの美人女性が座っていた。

 

席へ着いてチラっとその子のほうを見やると、

はっきり言って超好みのタイプだった。

敢えて例えるなら、小西真奈美とあだっちーをミックスしたような感じだろうか。

いや別にその二人とも特に好みではないんだが、

何かこの女性は雰囲気も含めて好みのタイプだったのだ。

 

こんな子が何で婚活パーティーにいるんだ?と思ったが、

事前学習のためにチェックした2ちゃんスレで、

「人数合わせのためのサクラがけっこういる」という話が書いてあったのを思い出し、納得。

これだけ美人なら、サクラとしての価値も高いやろなぁ…

 

そんなことを考えながら、プロフィールシートを書き始めた。

何を書いたかは正直、覚えていない。

とにかく項目が多く、じっくり考える時間はないのだ。

「好みのタイプ」という項目は特に難しい。

俺は特別こういうのが好き、というのがあるわけではなくて、

その人その人との相性が大事だと思っているので、非常に言葉にしにくい。

明るくて元気なひと、とかそんな無難な書き方をしたような気がする。

 

 

時間ギリギリいっぱいでプロフィールシートを書き終えて顔を上げると、

向かいの美人が退屈そうに脚を組んで無表情に虚空を見つめていた。

~初パーティー編(1)~ 婚活はじまる!

昨年11月に離婚した俺は、

その2日後に婚活を開始した。

 

急転直下決まった離婚だったので、

気持ちの切り替えが完全にできているとは正直言えない状況ではあったが、

そういう時こそ大事なのは、次の恋愛をすることだ。

大事に思える人ができれば、

気持ちは安定するものだ。

 

ではどうするか。

パートナーを見つけるには、

パートナー候補と出会わなければいけないのだ。

目玉焼きを食べるために卵を買ってくる。

それと同じくらい必然のことだ。

 

 

その方法は、婚活パーティーに即決した。

結婚相談所的なものは費用の面も含め、何となく敷居が高く感じたし、

昔からの女友達で、ホワイトキーのパーティーに行ったことのある子が何人かいて、

その時のことをいろいろと聞いたことがあったのでイメージがしやすかったのだ。

 

HPを見て、パーティーのスケジュールをチェックすると、とにかくたくさんのパーティーが毎日のように開催されている。

これだけのパーティーが開催されていて、よくも人が集まるものだと思ったが、

卒業生の数と比べて、俺のような新入生の数がイコール以上ということなのだろう。

なんとも世知辛い世の中だ。

 

数あるパーティーを丁寧に比較検討した結果、

2日後の日曜日に開催される、30代中心のエグゼクティブ男性のパーティーに参加することにした。

年上と話すのが苦手な俺にとって、女性の年齢が確実に下になることと、

そして何よりも2日後というのが決め手だった。

 

チャンスの神様には前髪しかないのだ。

まずは一日でも早く動くことが大事なのだ。

婚活市場へ

婚活市場とは恐るべき場所だ。


自分も昨年11月上旬に離婚したことで、再入荷商品として婚活市場のショーケースに並んだわけだが、

30代後半男のショーケースを見に来てくれる人なんてのはそんなに多いわけでもなく、

その中で数少ない優良客へ向けて、それぞれの営業マンが殺到して必死に売り込みをしているのだ。

売り込み下手な自分にはとてつもなく厳しい環境。

 

自分は、独身時代はそれなりにモテてきたと思うし、

学歴的にも年収的にも、婚活市場で人様にお見せして恥ずかしくないスペックだと思っている。

 

でも、

そんなもんは相手に上手く売り込めなければ無価値なわけで。

 

負けてんだよなぁ、そういう部分で。

 

前に、婚活パーティーで仲良くなった(友達として)女性から、

「Dさんは、あまりにガツガツ感が無さ過ぎて、絶対サクラだと思ってた」 って言われたことがある。

 

男と女の間のルビコンを渡るためには、 ガツガツ行かなければならないのだろう。

それは、わかる。

 

でも、その方法がわからないというか、

何事においても、 「相手に自分を良く見せる」ってのを良くないこととして認識してきた価値観があるので、

それが上手くできないというか。

 

でもそれはさ、

天の川を渡る役目を織姫に丸投げしちゃってるってことなんだよな。

それも、わかってる。

わかってるんだけどな。

 

婚活市場の先にあるのは、

一部の勝者と、

大部分のさらなる敗者と、

そのシステムで集金する大人たちの「またお越し下さい」という優しい笑顔。

このままでは、自分はまちがいなくマジョリティだ。

 

賭博黙示録カイジのエスポワール(限定ジャンケンが開催された船)と似ててさ、

カイジたちが、背負い込んだ借金返済の希望を持って集まったように、

俺らも背負い込んだ独身というステータス返済の希望を持って集まって、

一戦毎に阿鼻叫喚を繰り広げてる。

惨敗する奴、

妥協する奴、

欲張る奴。

悲喜こもごも。

 

昨年の11月に背負い込んだ十字架に磔刑になる前に何とかしないと。

 

ゴルゴダはおそらくあと2年先だ。

底無し沼にて

婚活を始めて10ヶ月になった。
ので、
ので、
ブログを始めてみようと思う。

 

うむ。

 

…というのは、半分は嘘。
ブログを始める理由は他にもある。
それは連載の中でいずれ明らかにしようじゃないか。

 

ともあれ、昨年の11月15日に婚活を開始した37歳バツイチ男は、
いくつかの出会いといくつかの別れを経験して、
38歳バツイチ男へと昇格した。

 

さよならを繰り返し、君は大人になる。
と歌っていたのは鈴木雅之だったが、
俺をこれ以上大人にしてどうする。

 

10ヶ月という時間と、付帯するそれなりの費用とを使って得た対価は、
一過性の幸せと、一過性の悲しみだけだ。

 

いかん。
これではいかんのだ。
そうはイカンザキ。

 

これはもはや、ジェフ千葉J1昇格プレーオフまで何度も辿り着きながら、完全にJ2沼に嵌っているのに似ている。
あと一歩で手が届く所まで来ているのに、
どんどん婚活沼に嵌り込んで抜け出られなくなってきている気がする。

 

もう勘弁して。

 

とりあえずあと2ヶ月、
あと2ヶ月の間には、先に繋がる何らかの成果がほしい。
そんなことを考えながら、今日も夜を過ごす。